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続’ 「70歳が現役のまち神戸」をめざして
 日本の平均寿命は昭和50(1975)年で男が71.73歳、女が76.89歳でしたが、平成25(2013)年には男は80.21歳、女は86.61歳まで伸びています。これに伴って平均余命も伸びてきており、平成25年の時点で、65歳では男は19.08年、女は23.97年となっています。65歳以上を高齢者と呼んでいますが、平均して19年から23年生き続けることができるこの年齢層からを高齢者と呼ぶのに違和感を覚える人は多いのではないでしょうか。

 高齢者という呼び方は、昭和31年(1956)年に国連の報告書が「65歳以上の人口が総人口の7%を超えた社会を高齢化社会とする」と定義したことから、日本でも「65歳以上は高齢者」と使われるようになりました。高齢者という言葉が使われ始めてから58年、この間に平均寿命が大きく伸びたいま、65歳以上を高齢者として扱うことが適切でしょうか。
高齢者の就労意欲についての内閣府による調査でも、「働けるうちはいつまでも」という回答が39.9%で最も多く、「70歳くらいまで」という回答が26.1%もあるというのが実情なのです。平成の60歳や65歳はまさに働き盛りであり、私をはじめ70歳代の方でも、まだまだ若いものには負けんぞ!と意気盛んな方はたくさんおられます。

 いま、65歳定年の完全実施が企業に求められていますが、福岡県では「65歳以上を高齢者とすること自体を見直すべきだ」として、70歳現役応援センターが設置され、年齢にかかわりなく元気で働きたい人が働くことのできる「70歳現役社会」の実現に向けた取り組みが行われています。
 福岡県は「70歳現役社会」へ向けた取り組みのポテンシャルに「人情味のある地域社会が多く残っている」ことを強調していますが、神戸市にもそのポテンシャルはあると考えています。「70歳が現役のまち神戸」をめざした取り組みをはじめるべきではないでしょうか。そのスタートの第一歩として、例えば次の2つはどうでしょうか。
 
 第1は、シルバー人材センターの活用です。シルバー人材センターは60歳以上の方の就業を支援する団体ですが、契約の相手方は公共団体が12.3%、民間企業等が87.7%で、公共団体からの発注が際立って少ない状況にあります。公共団体がシルバー人材センターを活用することからまずはじめる必要があります。

 第2は、子育て支援施策とのマッチングです。待機児童の多い0~2歳の保育所定員増、学童保育所の高学年受け入れといった子育てに関するニーズに対し、専門家の指導のもとで60歳以上の方に育児経験を生かして働いてもらうのです。

 「奇跡の村」とも呼ばれている長野県下條村では、子育て世帯限定の安価な村営住宅の提供や、第3子以降には20万円給付するなどの出産祝い金といった若者定住促進策により、村の合計特殊出生率は2.04と全国の1.39を大きく上回っています。人口減や少子化はある日突然に訪れるものではありません。下條村のような努力をせずに、市営住宅や小中学校の統廃合をすることは、いかにも安易過ぎる施策だと考えます。子育て支援と高齢者施策の融合を機会に、もう一度昔に戻って、世代を超えたまちづくりを行おうではありませんか。

 神戸は世界に開かれた港の歴史によって多様な文化を受け入れてきています。最近、ダイバーシティ社会の重要性が説かれていますが、神戸は古くから多様な人材を受け入れ、違いを認め、尊重して洗練された都市を育ててきました。ことに阪神・淡路大震災での市民の助け合いの姿は世界の人々から称賛されました。また、「ボランティア元年」と名付けられたように、市民の自主的な社会貢献活動は、その後の各地の自然災害で信頼される支援活動を展開してきました。

 神戸は「70歳が現役のまち」をめざし、それを実現し、日本の、いや世界のモデルになりうる条件を備えていると考えていますが、皆さんいかがでしょうか。
 ご意見をお聞かせください。
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by kitayamaj | 2014-09-20 16:53