ところで、「オリンピック」という言葉は多くの方が知っていますが、「パラリンピック」という言葉はまだまだ知られていないのが現状ではないでしょうか。
東京招致のプレゼンテーションでは、トップバッターに、骨肉腫で片足を失ったパラリンピック選手の佐藤真海さんが「スポーツは私に人生で大切な価値を教えてくれた」と言う感動的な言葉が・・何度も放映され、「パラリンピック」という言葉を初めて耳にした人が多いのではないでしょうか。障がい者のオリンピックと言われるこの大会はやっと「北京大会」からオリンピックと並び称されるようになりました。しかし、このパラリンピックをいう言葉を生み出したのは日本なのです。前回の1964年の東京大会で、「脊髄損傷などによる下半身麻痺者(パラプレジア)」という英語とオリンピックを併せてパラリンピックという愛称をつけて使い出したのがきっかけです。 その後に、正式には「並行してもうひとつ(パラレル)」のオリンピックという解釈をしてパラリンピックと呼ぶようになったのです。 もともと、障がい者のスポーツは イギリスで取り組みが始められました。戦争で傷ついた軍人たちの社会復帰のためのリハビリテーションの一環としてスポーツの取り組みが「ストーク・マンデビル病院」で始まりました。そして1948年のロンドンオリンピックの際に、ストーク・マンデビル競技会として発足したことから国際的な競技会として発展し、今日にいたっています。 日本では、前回の東京オリンピックの後に、全国の障がい者スポーツ大会として、その取り組みが継続されていますし、神戸では1989年にフェスピック神戸大会が開催されるなど、一定の取り組みが進められてきました。しかし、これらは「スポーツ」と言うよりも、「障がい者の自立支援」として取り組みに過ぎません。その理由は、同じスポーツであっても、健常者は文部科学省、障がい者は厚生労働省という縦割りが、そのようにさせてきたのです。2年前に「スポーツ基本法」が制定され、健常者・障がい者の垣根なくスポーツに取り組むことになりましたが、その施策は、なかなか進んでいません。 東京招致の成功で、この垣根が取り払われる「スポーツ庁」ができることにもなりました。そして、パラリンピックがさらに、脚光を浴びています。それは、障がい者が再び「スポーツの持つ力」で人生を乗り越えることと、「スポーツの持つ力」で東北が復興することとに相通じるものがあるからです。思い出して下さい。神戸が被災した後に「がんばろう神戸!」とオリックスが優勝をした瞬間を! 私達は、どれだけ元気をもらったことでしょうか。「復興庁」と一見、関係のないように見える「スポーツ庁」もパラリンピックというキーワードからは、つながっているのです。阪神・淡路大震災から18年を経て神戸は随分と元気になりました。 7年後、今度は、東北が元気になる番です。神戸はそのお手伝いをしなければなりません。 東京オリンピック・パラリンピックに訪れる世界の方々、テレビを見る全世界の人々に、神戸の復興した姿や、復興に向かって頑張っている東北の姿を見ていただくことで、世界で戦争や災害から立ち直ろうとする多くの国・地域の支援になることでしょう。そのような2020年にしなければならないと思っています。
by kitayamaj
| 2013-10-02 17:31
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